繁盛歯科医院　虎の巻

七の巻　「売れる仕組みを作る」

2008-11-20 配信

今や、歯科医院経営にとって、マーケティングが必要な時代であることは間違いありません。
実は、現在においては歯科医院だけではなく、あらゆる業種でマーケティングが見直されているのです。なぜ改めてマーケティングが注目されてきているのでしょうか？過去と現在の社会情勢を比べてみましょう。

かつて‥需要＞供給
・ 売り手優位。「作れば売れる」というプロダクトアウト発想
・ 新規顧客がどんどん流入してくる
・ 旧共産圏（ソ連など）や、現在の日本の観光地でのサービス業
（お客に愛想を振りまかなくても商売が成り立つ。）

現在‥需要＜供給
・ 買い手優位。「顧客ニーズをふまえて売れるものを開発して売らないと‥」というマーケットイン発想
・ 顧客にとって価値のあるものしか買ってもらえない
・ 既存顧客の防衛重視。「個客」の発想

このように、需要と供給の関係が逆転してしまった為、従来の商売のやり方が通用しなくなり、マーケティングによる分析・戦略が従来以上に必要とされるようになったのです。
では、売れる仕組みを作るにはどのようにすればよいのでしょうか？それは、戦国時代から言われているように「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。」に他なりません。ところが一番解っていないのが、己（わが医院）のことなのです。そこで、正確に状況を把握する為に環境分析を行う必要があります。これから戦闘に出撃するのに、自分の武器の性能や兵隊の人数、今おかれている状況を知らずに出発できませんよね？ですから、出撃する（戦略を立てる）前に環境分析を行い、わが軍の状況を客観的に把握する必要があるのです。環境分析の手法には下記の３つの手法がよく使われます。

�@ＰＥＳＴ（規制、経済、社会、技術の各要因）
�A５つの力（業界内の競争、売り手圧力、買い手圧力、新規参入、代替品）
�BＳＷＯＴ（強み、弱み、機会、脅威）


�@PEST分析とは：Ｐｏｌｉｔｉｃｓ（規制），Ｅｃｏｎｏｍｙ(経済)，Ｓｏｃｉａｌ（社会），Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ（技術）の４つの要因に基づき、自院（患者）に外部から影響を受ける経営環境を整理するのに使います。

�A5つの力（Five Forces）とは：（業界内競争力、売り手圧力、買い手圧力、新規参入、代替品）の5つの自院にかかる圧力を分析し、業界の特性・構造を整理することが出来ます。

�BSWOT分析とは：Ｓｔｒｅｎｇｔｈｓ（強み），Ｗｅａｋｎｅｓｓｅｓ（弱み），Ｏｐｐｏｒｔｕｎｉｔｉｅｓ（機会），Ｔｈｒｅａｔｓ（脅威）を分析する事により、業界内での自分（自院）のポジションを明確にします。

＊SWOTのうちＳとＷは外部要因ではなく自院内のことです。
　この分析をステップ１とし、自院と自院を取り囲む環境を理解します。これこそが「敵を知り、己を知れば・・・。」と言うことなのです。ただし全部の分析手法を行う必要はありません。戦略を立てるのに必要な分析法を使用してください。その後、次のステップとして、目標を定める作業に進みますが、環境分析について次回の虎の巻で説明を少しいたします。

このシリーズのバックナンバー

• 壱の巻　「広告は集患の切り札？」
• 弐の巻　「Hospitalityを見失ってしまったHospital」
• 参の巻　思った以上のサービスを受けて顧客は満足する
• 四の巻　「『さん』でも『さま』でも大事なのはおもてなしの心。」
• 五の巻　 「求められる情報にのみ価値が存在する」
• 六の巻　 「マーケティングとは何ですか？」
• 七の巻　「売れる仕組みを作る」
• 八の巻　PEST分析で自院（患者）を取り巻く外部経営環境を知る

シリーズ一覧

• 繁盛歯科医院　虎の巻

↑Page Top ↑